「最後に何か質問はありますか?」
面接の最後によく聞かれる逆質問。
何か良い質問をして、面接官にアピールしなければ。そう考えてしまう人も多いと思います。
でも私は、逆質問にはもう一つ大切な役割があると思っています。
自分がその会社で実際に働く姿を確認することです。
私はこれまで5回転職し、現在は採用人事として面接する側にもいます。両方の立場から言うと、求人票やホームページだけでは、実際の働き方まではなかなか分かりません。
だからこそ面接では、「入社してみたら思っていた会社と違った」を減らすための質問もしてみてください。
ここでは、実際の質問と一緒に、返ってきた答えをどう読むかまで書いていきます。
1|「一日の仕事の流れを教えていただけますか」
仕事内容は求人票にも書いてあります。
ただ、「採用業務を担当」と書かれていても、一日の大半が応募者対応なのか、面接なのか、媒体管理なのか、社内調整なのか。実際の時間の使い方は会社によってまったく違います。
「実際に働いている方は、一日をどのように過ごしていますか」
ここまで聞くと、入社後のイメージがかなり具体的になります。
答えの読み方
すらすらと具体的に出てくるなら、その職場の働き方が面接官の中で見えているということです。
逆に、求人票に書いてあることをなぞるだけの説明が返ってきたら、現場を知らない人が面接に出ている可能性があります。その場合は、次の選考で現場社員に同じ質問をしてみてください。
2|「忙しい時期は、普段と働き方がどう変わりますか」
「繁忙期はいつ頃ですか」
「その時期は、普段と働き方がどう変わりますか」
こう聞くと、年間を通した働き方が見えやすくなります。
答えの読み方
この質問で返ってくるのは、たいてい残業時間の数字ではありません。
「決算期は土曜出勤が月1回入ります」
「その時期は出張が月1回から3回に増えます」
「夏場は現場対応で朝が早くなります」
こうした、通常時との働き方の違いが確認できます。むしろ、こちらの方が判断材料としては有益です。
土曜出勤が月1回。家族との予定はどうなるか。出張が月3回。それは自分の生活に組み込めるか。数字で「40時間」と言われるより、入社後の一年が具体的に想像できます。
一方、「まあ、忙しいときは忙しいですね」で終わる場合は、繁忙期の働き方を面接官が把握していないか、答えたくないかのどちらかです。次の面接で、現場の社員にもう一度聞いてみてください。
聞き方の注意
この質問は、聞き方によっては「残業したくない人」に聞こえます。前置きを一言添えてください。
「入社後の働き方をイメージしておきたいので」——これだけで、印象はまったく変わります。
3|「入社後3カ月くらいで、どこまでできることを期待されていますか」
これは仕事内容だけでなく、会社の教育スタイルを見る質問です。
「最初の3カ月は先輩と一緒に覚えてもらいます」という会社もあれば、「経験者なので、1カ月目から一人で担当してもらいます」という会社もあります。
どちらが良い悪いではありません。大切なのは、自分が想像している働き方や教育方法と合っているかです。
答えの読み方
期待値を具体的に語れる会社は、受け入れ体制を考えています。
一方、「まあ、すぐ慣れると思いますよ」「やりながら覚えてもらえれば」という答えが続く場合は、教育の仕組みが整っていない可能性があります。即戦力として放り込まれても平気な人には問題ありませんが、そうでないなら、次の面接でもう少し踏み込んで確認した方がいいでしょう。
聞き方の注意
不安から聞いていると受け取られないよう、前向きな前置きをつけます。「入社後、早く戦力になりたいので」と添えれば、意欲の質問として伝わります。
4|「この職種で、やりたいけれどまだできていないことはありますか」
私はこの質問が結構好きです。
「部署の課題は何ですか」と聞くこともできますが、少し漠然としていて、面接官も答えにくいことがあります。
そこで、募集している職種に絞って聞きます。
「今回募集されている職種で、今抱えている課題はありますか」
「やりたいけれど、手が回っていないことはありますか」
こう聞くと、答えが具体的になります。
「採用は回しているものの、入社後のフォローまで手が回っていません」
「メディア運用を強化したいのですが、担当できる人がいません」
「業務が属人化していて、マニュアルを作りたいと思いながら進んでいません」
答えの読み方
ここで返ってきた答えは、そのままあなたが入社後に任される可能性のある仕事です。
「手が回っていない」と言われた領域は、新しく入る人に期待されている部分だからです。求人票の業務内容欄より、この答えの方が実際の役割に近いことがあります。
そして、その内容を聞いて「それは自分がやりたい仕事だ」と思えるかどうか。ここが相性の判断材料になります。
逆に、「特にありません」という答えが返ってきたら、なぜ人を採用するのかが分からなくなります。人を増やす理由は、たいてい「今できていないことがある」か「人が足りない」かのどちらかです。
採用側から見ると
この質問をされて困ることはありません。むしろ、入社後の仕事を具体的に考えている人だと受け取ります。
そして正直に言うと、この質問に具体的に答えられる面接官かどうかで、その会社が何を求めて採用しているかがはっきりします。
4つ全部を聞く必要はない
逆質問の時間は限られています。今回の4つを全部聞く必要はありません。
自分が転職で何を大切にしているかを考えて、**「これだけは入社前に知っておきたい」**というものを選んでおけば十分です。
そして、相手によって質問を変えてください。
- 現場社員なら、一日の流れや仕事の進め方
- 管理職なら、募集職種の課題や期待値
- 人事なら、制度や会社全体のこと
人事担当者に現場の一日の流れを聞いても、詳しく答えられないことがあります。逆に、現場社員に評価制度を聞いても同じです。
面接が複数回あるなら、同じ質問を違う人にしてみるのも有効です。答えが揃っていれば、その会社では共通認識になっている。人によって食い違うなら、それも一つの情報です。
面接は、会社から見られるだけの場所ではない
面接になると、「どうすれば受かるだろう」と考えてしまいます。もちろん選考なので、それも大切です。
でも転職は、内定を取ったら終わりではありません。その会社で実際に働くことになります。
だから面接では、会社があなたを見るのと同じように、あなたも会社を見ていい。
仕事内容。働き方。求められること。この職種に期待されていること。
求人票だけでは分からないことを、逆質問で少しずつ確認する。それだけでも、入社後の「こんなはずじゃなかった」は減らせると思います。


コメント