給与も仕事内容も勤務地も悪くない。「ここなら応募してみたい」と思ったのに、口コミを見ると低評価ばかり。
「求人票には良いことしか書かれていないのでは」
「口コミを無視して入社したら、後悔するかもしれない」
そう考えて、応募ボタンを押せなくなる。
私は採用人事として求人票を書く側にいますが、結論から言えば、どちらか一方を正解にする必要はありません。
見るべきなのは評価点の低さではなく、投稿時期、内容の具体性、同じ指摘が繰り返されているかです。
求人票も口コミも、会社の一部分でしかない
求人票は企業が出す公式情報ですが、仕事の魅力と募集条件が中心です。配属先の雰囲気や、制度が実際に使われているかまでは分かりません。
一方の口コミは、働いた人の経験そのものです。ただし、投稿者の部署、職種、上司との関係によって見え方が変わります。
「上司が最悪だった」という口コミが一件あっても、自分に同じことが起きるとは限りません。
どちらか一方で入社後を判断することはできません。
なお、採用する側も自社の口コミは把握しています。応募者が見ていることも前提にしています。気になる点を確認されること自体は、不自然でも失礼でもありません。
1|投稿時期と、同じ指摘の繰り返しを見る
まず確認したいのは、いつ書かれたものかです。
社長や経営陣の交代、事業方針の変更、組織再編。これらは数年単位で起こります。5年あれば、中身が別の会社になっていることも珍しくありません。
古い口コミだけで応募をやめず、その後どう変わったのか、新しい投稿では評価がどうなっているのかを見てください。
一方で、比較的新しい口コミに同じ指摘が並んでいる場合は注意が必要です。
複数の人が「面接で聞いた仕事内容と違った」「配属先は残業が多かった」と具体的に書いているなら、実際にそういう側面がある可能性は考えておいてください。
口コミを見るときの3点です。
- いつ投稿されたものか
- 応募する職種や部署に近い人の投稿か
- 複数の人が、同じ問題を具体的に指摘しているか
悪い口コミがあるかどうかではなく、今の会社にも当てはまりそうかを見ます。
良すぎる口コミも、同じ目で見る
見落とされがちですが、不自然に評価が高い場合も一度立ち止まってください。
特定の時期に高評価が集中している。内容が「風通しが良い」「成長できる」といった抽象的な言葉だけで、具体的な話が出てこない。
低評価と同じで、具体性があるかどうかが判断の基準になります。
2|気になることは、内定後に確認する
選考中の面接で、口コミの内容をそのままぶつけるのはおすすめしません。
まだ評価されている段階なので、こちらも踏み込みきれませんし、会社側の答えも一般的な説明にとどまります。
確認しやすいのは、内定後から承諾前の面談です。
この段階では立場が変わります。会社側は来てほしいと思っていますし、入社後の行き違いも避けたい。だから、具体的に答えてくれます。
聞き方はこうです。
「配属予定の部署では、通常期と繁忙期の残業時間はどの程度でしょうか」
「在宅勤務は制度としてあるだけでなく、実際にはどのくらい使われていますか」
「口コミに書いてありましたが本当ですか」と聞く必要はありません。 気になった内容を、自分が働くうえで確認したい質問に言い換えてください。
内定後の面談が設定されていない場合は、人事担当者やエージェントに「承諾前に質問する機会がほしい」と伝えて構いません。断られることはまずありません。
3|最後は、提示された条件と照らし合わせる
内定が出ても、その場で承諾する必要はありません。
求人票、選考中に聞いた説明、内定後の面談、提示された労働条件。この4つを並べて見てください。
食い違いがあっても、すぐに悪い会社とは限りません。募集開始後に配属先や条件が変わることは、実際にあります。
大切なのは、その違いについて聞いたときに、理由を具体的に説明してくれるかです。
自分にとって譲れない条件の説明が何度も変わり、最後まで食い違いが解消されない。そういう場合は、承諾を急がないでください。
まとめ|気になる口コミを、一件だけ整理する
悪い口コミがあるから応募してはいけない、ということはありません。
古いものは今の状況と違う可能性があります。一方で、新しい投稿に同じ指摘が繰り返されているなら、会社の一つの側面として見ておく必要があります。
今日は、最も気になる口コミを一件だけ選んで、3つ書き出してみてください。
- いつ投稿されたものか
- 自分が応募する部署に関係する内容か
- 同じ指摘が、他にもあるか
これだけで、その口コミが判断材料になるかどうかが見えます。
応募は、入社の決定ではありません。 口コミだけで結論を出さず、確認できることに変えてから判断しても遅くありません。

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