私は採用人事として求人票を書く側にいます。
先に断っておくと、「この言葉があれば必ずこういう会社」という話ではありません。 応募先を選ぶときのヒントとして読んでみてください。
なぜ、ああいう言葉になるのか
求人票は募集要項であると同時に、広告です。
「人手が足りていません」
「教える人がいないので、自分で覚えてもらいます」
事実でも、そのままは書けません。だから前向きな言葉に置き換えます。
さらに言えば、人事はどんな求人でも他社より応募を集めなければいけません。だから、魅力があるように見せることに意識が向きます。
私自身、ただの総合職を「管理職候補」と書くこともあります。
嘘ではありません。同じ状態を、どの角度から説明するかという話です。
だからこそ、話半分くらいの気持ちで読んでおくとちょうどいいと思います。
「裁量が大きい」「幅広い経験が積める」
自分で考えて進められる会社かもしれません。
一方で、立ち上げたばかりの部署や、担当者が少なく一人で幅広くやる必要がある状態も、こう表現されます。
どちらにしても担当範囲は広くなります。
「少数精鋭」
書く側から言えば、「人が足りていません」とは書けません。それを言い換えるとこうなります。
実際に少人数で成果を出している組織もあります。ただ、一人あたりの担当範囲が広いことは変わりません。
「若手活躍中」「成長できる環境」
早くから任せてもらえる会社かもしれません。
ただ「若手活躍中」は、じっくり教育せず早い段階で現場に出している状態のこともあります。「成長できる環境」も、自分で覚えるしかないから成長できる、というケースがあります。
早く任されたい人には向きますが、教わりながら進めたい人には厳しい環境です。
「スピード感のある環境」
意思決定が速い会社かもしれません。
反対に、方針が短期間で変わることも考えられます。この2つは同じ仕組みから来ています。速く決められるなら、速く変えられます。
「経営層に近い」
経営判断に関われる可能性があります。
一方で、社長や役員から現場まで直接指示が入る状態も、こう表現されます。距離が近いぶん、影響も受けやすくなります。
「アットホーム」
雰囲気の良い会社もあります。
一方で、仕事を進めるうえで社内の人間関係が重要な職場だから、そこを魅力として出しているとも考えられます。
近さを心地よく感じる人と、負担に感じる人がいます。
求人票は「答え」ではなく「仮説」
書いてある言葉を、悪く受け取る必要はありません。書く側も、伝えたい良さがあってその言葉を選んでいます。
ただ、なぜその言葉なのかを一段だけ考える。
裁量が大きいなら、どこまで任されるのか。成長できるなら、どう覚えるのか。少数精鋭なら、何人でやっているのか。
そう読めば、応募するかどうかの判断材料が増えます。


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