転職回数が増えるほど、面接で転職理由を話すのは難しくなります。
正直に話しすぎると不利になりそう。かといって、無理に前向きに言い換えると不自然になりそう。
私はこれまでに5回転職しています。今は企業の採用人事として、応募者の職歴を確認する立場です。
その両方の立場から言えるのは、採用側は「退職理由が前向きかどうか」だけを見ているわけではない、ということです。
採用側が知りたいのは、次の3つだけです。
- 同じ理由で、また辞めないか
- 入社後に何を任せられるか
この記事では、この2つを順番に説明します。
そもそも、何回から「多い」と見られるのか
大手転職サイトが採用担当者に行った調査では、転職回数が3回を超えたあたりから気にする担当者が増えるとされています。
一方で、回数をほとんど気にしない企業もありますし、転職回数が多い人を採用してきた実績のある企業も一定数あります。
つまり、回数だけで一律にアウトになるわけではありません。
ただし、転職回数だけで選考を見送る企業があるのも事実です。
だからこの記事の目的は、すべての企業を納得させることではありません。
経験まで見てくれる企業に、きちんと伝わるようにすること
です。
ポイント1:同じ理由で、また辞めないか
採用側が転職理由を聞くのは、過去を責めるためではありません。
採用には、広告費や紹介手数料だけでなく、面接や研修など多くの時間とお金がかかります。
だから「入社してもすぐ辞めそうか」を一番気にしています。
そこで採用側は、職歴全体を見ながらこう考えます。
- 退職理由に、同じパターンが繰り返されていないか
- 過去の退職理由に当社は該当する部分はないか
たとえば、退職の原因が仕事内容や働き方、人間関係だった場合。同じ要素は応募先にもあるかもしれません。だから大切なのは、前の会社の問題点を主張することではありません。
「応募先では同じ退職につながらない」と思える理由を、自分の中で整理しておくことです。
このとき役に立つのが、入社前の自分を振り返ることです。
会社を選んだときに、何を確認していなかったのか。何を重視すべきだったのか。それが分かっていれば、「今回はここを確認したうえで応募している」と自分の言葉で話せます。
将来を完全に保証することは誰にもできません。それでも、応募先を理解したうえで応募しているかどうかは、面接で必ず伝わります。
ポイント2:入社後に何を任せられるか
採用は、退職理由の説明だけで決まりません。
最終的に企業が判断するのは、「この人に、どんな仕事を任せられるか」です。
転職回数が多くても、それぞれの会社で得た経験が応募先で生かせるなら、評価される可能性は十分あります。
逆に、面接の大半を退職理由の説明に使ってしまい、「何を経験して、何ができる人なのか」が伝わらなければ、採用する理由が見つかりません。
転職回数が多い人ほど、過去の退職を正当化することに意識が向きがちです。でも、採用側が本当に知りたいのはそこではありません。
応募先で生かせる知識・スキル・実績を整理して、そちらに時間を使うこと。これが一番の対策です。

伝えるときの注意点は2つだけ
前職批判を話しすぎない
人間関係や上司への不満が退職理由だった人もいるでしょう。実際に会社側に問題があったケースもあります。
ただ、「上司が」「残業が」「評価してくれなかった」という説明が続くと、面接官はこう受け取ることがあります。
- うちに入っても不満を持つのではないか
- 問題の原因を周囲に求める人ではないか
嘘の理由を作る必要はありません。でも、本音をすべて話す必要もありません。
前職への批判より、これから取り組みたい仕事の話に時間を使いましょう。
衝動的に辞めたように聞こえる伝え方をしない
採用側は、退職までの判断の仕方も見ています。
相談も改善の働きかけもせず、感情的に辞めたように聞こえると、仕事への責任感を疑われます。
退職したこと自体を謝る必要はありません。ただ、「考えずに入社と退職を繰り返してきた」という印象だけは与えないようにしましょう。
採用人事のちょっとした裏話
転職回数の影響は、職種によって大きく変わります。
たとえば、1級土木施工管理技士を持つ建設技術者や、保育士資格と実務経験のある人。転職回数が多くても、複数の企業から声がかかることがあります。
採用が難しい職種では、企業は回数より「資格と実務経験があるか」「仕事を任せられるか」を優先するからです。
反対に、応募者が多い職種や未経験OKの求人では、転職回数が書類選考の判断材料になりやすくなります。
つまり、転職回数の評価は一律ではありません。職種・資格・地域の採用状況によって変わります。

まとめ:すべての企業を納得させなくていい
どれだけ丁寧に説明しても、回数だけで見送る企業はあります。
だから、すべての企業に理解してもらおうとして、過去を無理に正当化する必要はありません。必要以上に謝る必要もありません。
やることは、この3つの整理だけです。
- それぞれの退職理由を、事実として短く説明できるようにする
- 「応募先では同じ問題が起きない」と考える理由を持つ
- 応募先で生かせる経験を具体的に伝える
転職回数は、あとから減らせません。
でも、今回の転職についての考えは、今から整理できます。
回数だけで判断せず、経験まで見てくれる企業に、知りたいことをきちんと伝える。それが、転職回数が多い人の現実的な戦い方だと考えています。
https://restartcompass.com/multiple-job-changes-reason/


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