「年間休日120日」 「住宅補助あり」 「平均残業10時間」
求人票にこう書かれていたら、働きやすそうな会社に見えます。
もちろん、その通りの場合もあります。
ただ、採用人事として求人票を作る側、そして転職してきた経験から言うと、
「書いてある=自分にもそのまま適用される」とは限りません。
私なら、次の5つを確認します。
① 勤務地は「転勤の範囲」まで見る
「勤務地:福岡」と書かれていても、将来も福岡とは限りません。
特に複数拠点がある会社では、「転勤なし」「当面なし」「会社の定める事業所」などの記載を確認しましょう。
2024年4月からは、求人募集時にも就業場所の「変更の範囲」の明示が必要になっています。
今どこで働くかだけでなく、将来どこまで異動する可能性があるのか。
勤務地は生活にも直結する条件です。
② 「住宅補助あり」は、自分も対象とは限らない
住宅手当や家賃補助も、制度名だけでは判断できません。
「転勤者のみ」「○歳まで」「特定地域のみ」など、会社独自の条件が付いている場合があります。
また、行政など外部の制度を利用する前提で、
配属される地域によっては補助の対象外になる
ケースもあります。
「住宅補助あり」ではなく、
「自分の場合はいくら、いつまで対象なのか」
まで確認したいところです。
③ 「年間休日120日」は内訳と勤務カレンダーで確かめる
これは私自身、過去の転職で実際に経験したことです。
その会社の求人では年間休日120日と記載されていたものの、実際の勤務カレンダーでは105日程度だった——そのことに、私は入社してから気づきました。15日の差は、月に1日以上休みが少ない計算です。
採用の仕事をしている人間でも、確認を怠ればこうなります。そして入社後に気づいても、できることは限られています。
だからこそ、あなたには入社を決める前に確かめてほしいのです。求人票と提示された条件が違う場合は、遠慮せず理由を聞いていい場面です。厚生労働省も、求人情報と実際の労働条件が違う場合には内容を確認するよう案内しています。
- 勤務カレンダーや労働条件通知書で実際の日数を確かめる。
※変形労働制の場合に注意!
数字そのものより、その数字がどう作られているかを見てください。
④ 「平均残業○時間」は誰の平均か。給与に残業代が含まれていないか
「月平均残業10時間」
と書かれていても、会社全体の平均なら注意が必要です。
残業の少ないバックオフィス部門も含めて10時間で、応募する営業部門や現場部門ではもっと多い、ということもあり得ます。
大切なのは会社平均より、自分が配属される部署の実態です。繁忙期がある仕事なら、その時期の残業状況も確認したいところです。
もう一つ、残業とセットで必ず見てほしいのが給与欄です。
「月給25万円(固定残業代○時間分を含む)」という求人があります。固定残業代自体は違法ではありませんが、基本給がいくらで、何時間分の残業代が含まれ、超えた分は別途支払われるのかは、必ず確認してください。
月給の額面だけ比べて会社を選ぶと、時給に換算したら前職より下がっていた、ということが起こります。
⑤ 「制度がある」と「使われている」は別
バースデー休暇、リフレッシュ休暇、資格取得支援なども同じです。
私自身、バースデー休暇を制度として掲げているものの、実際には利用している人がほとんどいないケースを見たことがあります。
制度が存在していても、利用しづらければ魅力は変わってきます。
制度名より、実際の利用状況を見る。
これも求人票を見るときに覚えておきたいポイントです。
細かい条件確認は「内定後・承諾前」がおすすめ
ここで、
「じゃあ全部面接で聞けばいいの?」
と思うかもしれません。
私は、条件面を選考中に一つずつ細かく聞きすぎることはおすすめしません。
住宅補助、休日、残業、休暇、転勤……と条件面の質問が続くと、採用側によっては**「仕事内容より条件を気にしているのかな」**と受け取る可能性があるからです。
選考中は、仕事内容や配属先、期待される役割を中心に確認する。
そして内定後、承諾する前に労働条件通知書などが提示された段階で、
勤務地・休日・給与・手当・残業・制度の適用条件を細かく確認する。
企業には、労働契約の際に就業場所、労働時間、休日、賃金などの労働条件を明示する義務があります。書面で確認できるのがこの段階です。不明点があれば、承諾前に企業へ確認してください。
労働条件提示の際は細かいことも聞きやすいです。
まとめ:求人票は「自分の場合どうなる?」まで見る
求人票を見るときは、
「書いてあるか」だけでなく「自分の場合、本当にどうなるか」
まで確認しましょう。
勤務地なら転勤範囲。 住宅補助なら適用条件。 年間休日なら内訳と勤務カレンダー。 残業時間なら配属部署の実態と、給与に含まれる固定残業代。 福利厚生なら利用状況。
そして、内定が出た=すぐ承諾しなければならない、ではありません。
最終的な労働条件を確認して、「これなら納得して働ける」と思ってから入社を決める。
求人票と実際の働き方のギャップを減らすために、最後の確認は意外と大切です。


コメント